伝統建築の魅力がいっぱい!寺社彫刻の種類をわかりやすく解説
日本の伝統建築の魅力がいっぱいある寺社彫刻は、時代を重ねるごとに龍や獅子などの装飾が施されるようになりました。身近な神社やお寺の梁や柱を見ると、たくさんの彫刻が見られます。さまざまなところに施されている彫刻ですが、一体どのような種類があるのでしょうか。
そこで今回の記事では、寺社彫刻を種類別について紹介し、わかりやすく説明していきましょう。神社やお寺でよく見る彫刻にはどんなものがあるのか、どんな意味を持っているのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.【種類別】蟇股(かえるまた)について
普段から聞きなれない言葉の蟇股ですが、一体何なのかわからない方も多いのではないでしょうか。お寺や神社にある梁を見ると設置している「蟇股」について、ここでは特徴をみていきましょう。
1-1.蟇股とは
見た目がカエルの股のようなシルエットなため、「蟇股」と言われるようになりました。屋根からくる荷重を支えるために、下側が広がっているのです。本来は支える部品として使われていましたが、時代が経つにつれて装飾材の一つとしての役割が重視されるようになりました。
このような時代の変化と共に装飾を施されていくことで、建物の建立時代を知るためのツールとして、貴重な部品とも言われています。
1-2.2つの種類にわけ分けられる
蟇股には、厚い板状のタイプ「板蟇股」と内部をくりぬいてあるタイプ「本蟇股」の2つの種類に分けられます。「本蟇股」の場合は内部をくりぬいているため、「透かし蟇股」「くりぬき加工の蟇股」とも言われています。彫刻デザインは、内部に唐草や波、動物をモチーフにしているなど、見る人を惹きつけるクオリティの高さが魅力です。
時代と共にどんどん装飾への需要や目的が高まり、目を惹きつけられる蟇股として現代でも多くの方に見られるでしょう。
2.【種類別】木鼻(きばな)について
神社などにお参りに行った時に、入口の両サイドに飾られている、ほとんどの方が見たことある彫刻の「木鼻」について説明しましょう。
2-1.木鼻とは
柱から突き出た部分を木鼻と呼ぶようになり、その箇所に彫刻を施して装飾しはじめました。もともと肘木や、虹梁の柱から突き出ている部分直接加工していましたが、装飾目的が強まることで、突き出していた部分を無くし、新たに独立したパーツをつけるようになったのです。木鼻には「大仏様」と「禅宗様」の2つの様式があります。
動物やなどのシルエットを施している「大仏様」によって、もともとシンプルだったのが複雑化されていきました。一方「禅宗様」は、うずまきのような雲の形をしており、台輪が設置されることが多いのです。
2-2.木鼻の種類
木鼻には、獅子鼻という獅子をかたどった彫刻をはじめ、伝説の生き物の龍鼻などの複雑な装飾を施しています。動物をモチーフにするだけではなく、雲や花、葉をかたちにした植物鼻などもあるのです。神社やお寺の本殿や堂の入り口に、木鼻はとりつけられています。
3.【種類別】虹梁(こうりょう)について
彫刻が施されている梁としての役割を担っているため、単に飾りとしてではなく、重要な構造材の一つでしょう。ここでは、虹梁について紹介します。
3-1.虹梁とは
上に向かって湾曲した梁の形状が虹を連想させるため、虹梁と呼ばれるようになりました。上の方に向かって湾曲しているのが、水平なつくりでは中央部分が垂れ下がって見えてしまうからです。また、虹梁には、唐草などの彫刻の「絵様」をはじめ、厚さを斜めにカットした部分の「袖切り」、梁の下部分を平行線でえぐった「眉」などが施されています。
3-2.虹梁の「眉」について
虹梁の下部分を数本などでえぐった部分は、上から順に「本眉」「欠眉」「捨眉」と呼ばれています。眉のえぐり方が異なれば、それぞれの断面も変わるため、浅い円弧上のなぎ眉や断面がレ字の形の欠き眉などがあります。眉が数本あることで、全体の細やかさを演出できるため、眉の種類や分類を理解することが必要です。
その他屋根部分の装飾や欄間など様々な彫刻が用いられています。
4.まとめ
今回の記事では、神社やお寺に施されている彫刻について紹介してみましたがいかがでしょうか。平安時代や鎌倉時代と言った古き時代から、機能性だけではない、見た目の美しい彫刻を施していることに、職人さんのスキルの高さを感じさせるでしょう。ただの梁にすることも可能でしょうが、手を加えることで、構造的にも安心しなから、見た目をアップさせ、全体の雰囲気を変えられるのです。
「有限会社伊川彫刻店」では、歴史ある彫刻の職人技によって、さまざまなアイテムをおつくりしております。
機械を使わずに、すべて手作業でつくる木彫りアイテムは、温かみや落ち着きのある雰囲気を漂わしています。また、可愛いペットのオブジェや個性的なインテリアなど、残しておきたい思い出をしっかりと形にして大切にできるでしょう。
受け継がれる伝統の技によって織りなす彫刻のアイテムたちは、世界に一つしかない大切な宝物になります。ぜひギフトを探されていてご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。