飾る時期が終わったあとの兜のしまい方や注意点とは?詳しく紹介

飾る時期が終わったあとの兜のしまい方や注意点とは?詳しく紹介

端午の節句の時期を終えたあとの兜はしまうことになります。初めて兜を飾ったという方は、しまうことも経験がないことになります。来年もまたきれいな状態で飾るためにはしっかりとしまうことが大切です。

そこで今回は、飾る時期が終わったあとの兜のしまい方や注意点についてご紹介いたします。是非参考にしてみてください。

兜のしまい方

役目を終えた兜のしまい方ですが、基本的には以下の手順で行います。ただ単に箱の中にしまうだけでは保管中に劣化してしまう恐れがあります。翌年に取り出すときのことも考えた上でしまう必要がありますので、正しい手順を理解しましょう。

保護布を敷く

櫃が収納ボックスの役割を果たします。まずは付属の保護布を櫃にひし形になるように敷きましょう。保護布は敷物というだけではなく、最終的には全てのパーツを包むことになるのでとても大きいものです。ずれてしまうと包みきれなくなってしまうため、左右上下が対象になるように敷くようにしましょう。

鍬形や竜頭などのパーツを包む

鍬形や竜頭などの小さなパーツを薄紙で包みます。このとき2枚ある鍬形が触れてしまわないように注意しましょう。2枚の鍬形を重ねて薄紙で包んでしまうと、鍬形同士が擦れあい剥がれや傷などの原因となります。薄紙でそれぞれ包むというのがポイントです。包み終えたら保護布が敷かれた櫃に置きます。

兜を包み保護台を入れる

兜もそのまま櫃に入れるのではなく、吹き返しなどを薄紙で包みます。このとき素手で触ってしまうと表面に汚れがついてしまう恐れがあるため、白手袋を装着して作業をするといいでしょう。金属面は要注意です。包み終えたら、形が崩れてしまわないように保護台を中に入れます。

兜を櫃に置く

包んだ兜を櫃の中に置きます。先に置いてある鍬形などの上においてもかまいませんが、潰れてしまうことがないように注意しましょう。敷いてあった保護布をかぶせます。重ねて被せるだけで十分ですので、布を結ぶ必要はありません。

芯木を入れて隙間を埋める

保護布で包んだ兜などの上に芯木を置きます。櫃に置くものは以上となりますが、そのままでは隙間がかなり空いた状態になるでしょう。柔らかい紙を丸めたものなどを使って隙間をしっかりと埋めます。きつくする必要はありませんので、スカスカ状態でなければ大丈夫です。

兜のしまい方の注意点

兜のしまい方の手順は先述の通りですが、手順以外にも注意するべきポイントがいくつか存在しています。意識することでベストな状態でしまうことが可能となるため、実践するようにしましょう。

ホコリが付かないようにする

兜には金属が多く使用されているため、ホコリが付きやすい傾向にあります。とくに兜をしまう際に雨が降っているなど湿気が高いと要注意です。できるだけ乾燥している日に羽バタキなどを使用して、ホコリを丁寧に落としながら薄紙で包むようにしましょう。プロは薄紙ではなくビニールを使用しますのでおすすめです。

形崩れに注意

万が一形崩れをしてしまうと、元の状態に戻すことは簡単ではありません。いざ飾ろうというときになって歪んでしまっていると見た目もとても良くないでしょう。しまい方によって形崩れが起きてしまうことがよくあります。薄紙で包む際に強く包まないようにしたり、隙間を埋めることで防いだりすることが可能です。

湿気は厳禁

湿気が強い場所にしまってしまうと、カビやサビの原因となります。一度発生してしまうと修復は非常に困難です。室内でもできる限り乾燥している場所を探してしまうようにしましょう。乾燥剤などを周囲に置くと効果的です。

防虫剤の使い方

虫食いを防ぐために防虫剤を使用される方もいますが、金属と化学反応を起こしてしまう恐れがあるため、あまりおすすめはできません。虫食い防止策としては、鷹の目を数個紙に包んだ上で櫃の中などに入れるといいでしょう。ただし、鷹の目を好む虫もいるため少なくとも年に一度は交換する必要があります。

兜をしまう場所はどこがいい?

丁寧にしまった兜を最終的にしまう場所にも気を配ることをおすすめします。どこでもいいわけではありませんので、兜の劣化を防ぐために、以下のいずれかの条件を満たしている場所にしまうようにしましょう。

風通しのいい場所

まずは風通しのいい場所が挙げられます。湿気は兜の大敵です。風通しのいい場所であれば、乾燥しやすく都度も高くなりにくいためおすすめです。したにベタ置きするのではなく、スノコを使って通気性をアップするなどの工夫も効果的でしょう。

寒暖差が激しくない場所

寒暖差が激しくない場所もおすすめです。寒暖差が激しいことによって、結露ができてしまったり金属のサビやカビが発生したりしてしまいます。常に一定の温度である場所であれば安心です。

直射日光が当たらない場所

直射日光によって兜は変色などを起こしてしまいます。櫃にしまっている状態であれば防ぐことは可能ですが、櫃内部が激しい温度変化を起こしてしまう恐れがあります。その結果寒暖差が激しい場所に近い環境になるため、避けるようにしましょう。

まとめ

兜飾りに関しては時期を過ぎても必ずしもしまわなければならないわけではありません。しかし、そのままではスペースも取りますし劣化してしまいますので、今回ご紹介した手順を参考にしっかりとしまうようにしましょう。

「有限会社伊川彫刻店」は、木彫刻の専門店です。伊川彫刻店三代目 彫昌が手彫りで一つひとつ丁寧に仕上げた製品を販売しています。木製の兜飾りも取り扱っておりますので、これから端午の節句に向けて購入を検討されている方はぜひお気軽にお問い合わせください。オーダーメイドのオリジナル兜の制作も可能です。

 

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